この度、日本更生保護学会の会長に選任されました生島浩です。初代会長の藤本哲也先生の後任として、また、保護観察官出身者としてこの重責を務めさせていただきます。
平成24(2012)年の設立から14年目を迎え、大会は東京圏・地方で交互に毎年開催、『更生保護学事典』の発刊も実現したことから、更生保護に特化した学会としての基盤はできたのではないかと考えますが、職能団体としての機能も併せ持つには、様々な課題を抱えていることも事実です。
1. 更生保護会館内に事務局を置き、更生保護ネットワークの一員として、日本更生保護協会からの助成を得て、全国保護司連盟、日本BBS連盟などの関係団体から理事の選出を求めるなどの「協働態勢」は維持するとして、学会としての距離感、「自立」が問題となります。まずは、事務局体制の独立化ですが、外部への事務委託には会費の値上げなどが必要となります。
2. 学会の主要業務である「学会誌」は、若手研究者による論文投稿は積極的ですが、現場の保護観察官・社会復帰調整官、そして保護司からの実践報告が少ないのが実情です。『更生保護』誌による«広報»ではなく、失敗事例を含めた«省察»が必要で、秘密の保持など倫理規定を遵守しながらの実践研究を増やしてまいります。
3. 他の臨床領域と同様にエビデンスが重視され、認知行動療法などに基づくプログラム化は時代の流れでしょうが、やはり、更生のスピリットに基づく、暖かい社会のまなざしを基本とした「普通の更生保護(保護観察)」が蔑ろにされているのではという危機感を抱いています。社会的包摂による社会内処遇の基本に立ち返って、「再犯なく普通に暮らすストーリー」を説得力をもって伝えていく使命があります。
「官民協働」、そして「地域生活支援」のシステムズ・アプローチにより支援対象者を孤立化させない社会の組織的取組として、更生保護の長い歴史と集積があります。内向きでない、外部の批判の受け皿機能を持つ、更生保護のサポーターとして本学会が展開するよう微力を尽くしてまいります。
これまで本会を支えていただいた藤本会長には顧問に、西中間貢監事には名誉会員として今後とも見守っていただくことを報告し、会員の声に一層耳を傾け、その増加を図るために広く関係者のご理解と格別のお力添えをお願い申し上げます。
役員等一覧(令和5年1月24日現在)(順不同)
役名 |
氏名 |
会長 |
生島 浩 |
副会長 |
辰野 文理 |
常務理事/総務委員会 |
幸島 聡 |
常務理事/大会運営委員会 |
小長井 賀與 |
常務理事/編集委員会 |
四方 光 |
理事 |
今福 章二 |
理事 |
押切 久遠 |
理事 |
久保 貴 |
理事 |
西瀬戸 伸子 |
理事 |
本庄 武 |
理事 |
水藤 昌彦 |
理事 |
長舩 浩義 |
理事 |
高橋 有紀 |
理事 |
岡田 誠一 |
理事 |
岡本 達也 |
理事 |
小西 暁和 |
理事 |
角田 亮 |
理事 |
河野 荘子 |
理事 |
松本 幸一 |
理事 |
浜井 浩一 |
理事 |
長尾 和哉 |
理事 |
梯 浩子 |
理事 |
杉山 弘晃 |
理事 |
吉田 研一郎 |
理事 |
稲葉 保 |
理事 |
杉山 多恵 |
監事 |
高木 俊彦 |
監事 |
長谷川 正光 |
顧問 |
藤本 哲也 |
会則 施行:平成24年4月1日、令和6年1月19日
第1章 総則
- (名称)
第1条 本会は、日本更生保護学会(Japanese Association of Offenders Rehabilitation)と称する。
- (事務所)
第2条 本会の事務所は、東京都渋谷区千駄ヶ谷5-10-9に置く。
- (目的)
第3条 本会は、犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護、精神保健観察、その他関連領域に関する諸問題(以下「更生保護」という。)を研究し、その進歩発展に資することを目的とする。
- (事業)
第4条 本会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
- (1)学術集会(大会・研究会・研修会)の開催
- (2)機関誌「更生保護学研究」及び会報、その他刊行物の編集、発行等
- (3)内外の文献、情報、資料等の調査、収集及び刊行
- (4)内外の関係諸学会、団体との連携
- (5)その他必要な事業
第2章 会員
- (会員)
第5条 本会の会員は、正会員、名誉会員及び賛助会員とする。
2 会員は、本会の事業に参画し、刊行物の無償配布又は実費配布を受けることができる。
- (正会員)
第6条 正会員は、本会の趣旨に賛同し、更生保護に関する学術若しくは実務の知識を持つ者で、理事会の承認を得たものとする。
- (名誉会員)
第7条 名誉会員は、更生保護において特に功績のあった者、又は本会の運営に功績のあった者で、理事会が推薦し、総会の承認を得たものとする。
- (賛助会員)
第8条 賛助会員は、本会の趣旨に賛同し、本会の事業を後援するため、所定の会費を納め、理事会の承認を得た個人又は団体とする。
- (入会)
第9条 正会員としての入会は、正会員1名の推薦を得て、所定の入会申込書を提出するものとする。
2 正会員として入会に当たっては、入会金1,000円を納入しなければならない。
- (会員の議決権等)
第10条 正会員は、本会則の定めるところにより議決権及び選挙権を有する。
- (会費)
- 第11条 正会員及び賛助会員は、別に定めるところにより、会費を納入しなければならない。この場合、既納分については、いかなる理由があっても返還しないものとする。
- (退会)
- 第12条 次の各号のいずれかに該当する者は、理事会の議決により退会させることができる。
- (1)本会に損害を与え、又は本会の名誉を著しく毀損した者
- (2)会費を相当年度滞納した者
第3章 役員等
-
(役員)
第13条 本会に次の役員を置き、その任期は3年とする。ただし、再任を妨げない。
- (1)会 長 1名
- (2)副会長 1名
- (3)理 事 25名以上30名以内
- (4)常務理事 若干名
- (5)監 事 2名
-
(役員の選任)
第14条 役員の選出は、次による。
- (1)会長は、理事会が推薦し、総会の議決による。
- (2)副会長、常務理事及び監事は、理事会の議決により、会長が委嘱する。
- (3)理事は、別に定める規定により正会員の中から選出し、総会の議決による。
- (役員の任務)
第15条 役員の任務は、次のとおりとする。
- (1)会長は、本会を代表し、会務を統括する。
- (2)副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは会長を代行する。
- (3)理事は、会長、副会長とともに理事会を構成し、本会の運営に当たる。
- (4)常務理事は、常務の執行及び各種委員会の運営を担う。
- (5)監事は、会計及び会務の執行状況を監査する。
- (顧問)
第16条 本会に顧問を置くことができる。
- 2 顧問は、更生保護において高度の専門的知識を有し、又は豊富な実務経験を有する者で、理事会の議決により、会長が委嘱する。
- 3 顧問は、本会の重要な事項について、会長の諮問に答える。
第4章 組織と運営
- (理事会)
第17条 理事会は、会長がこれを招集する。会長は、半数以上の理事が理事会の開催を求めた場合は、速やかにこれを招集しなければならない。
- 2 理事会は、理事の過半数の出席をもって成立する。ただし、委任状をもって出席に代えることができる。
- 3 理事会の議長は、会長とする。
- 4 理事会の議決は、出席者の過半数の賛同によって決する。
- (総会)
第18条 総会は、会長がこれを招集し、年1回開催する。ただし、理事会が必要と認めた場合、又は会員の3分の1以上が開催を求めた場合は、会長は速やかに総会を招集しなければならない。
- 2 総会は、会員の過半数の出席をもって成立する。ただし、委任状をもって出席に代えることができる。
- 3 総会の議長は、正会員の中から選出する。
- 4 総会の議決は、出席者の過半数の賛同によって決する。
- (委員会)
第19条 本会の目的を推進するため、総務委員会、編集委員会、及び大会運営委員会を置き、その委員長には常務理事をもって充てる。
- 2 各委員会の委員は、会長が委嘱する。
- (事務局)
第20条 総務委員会のもとに本会の事務局を置く。
第5章 会計
- (経費)
第21条 本会の経費は、会費及び寄付金その他の収入によってまかなう。
(事業計画・同報告、収支予算・同決算)
- 第22条 事業計画及び収支予算は理事会が編成し、総会の承認を得るものとする。
- 2 事業報告及び収支決算は理事会が作成し、監査を経て、総会の承認を得るものとする。
- 3 本会の事業年度及び会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年の3月31日に終わる。
第6章 会則の改正
第23条 本会則の改正は、総会の議決を要する。
附 則
- 1 本会則は、平成24年4月1日より施行する。
- 2 設立当初(事業年度及び会計年度末まで)の正会員は、第9条の規定にかかわらず、推薦人及び入会金は要しないものとする。
- 3 設立当初の理事は、第14条の規定にかかわらず、下記日本更生保護学会理事名簿のとおりとする。
日本更生保護学会理事名簿
石川 正興 |
石塚 伸一 |
蛯原 正敏 |
太田 達也 |
押切 久遠 |
小畑 哲夫 |
柿澤 正夫 |
可児 克之 |
川本 満隆 |
久保 貴 |
小長井賀與 |
生島 浩 |
炭谷 茂 |
染田 惠 |
高木 俊彦 |
辰野 文理 |
土井 政和 |
平尾 博志 |
藤本 哲也 |
古澤 恭一 |
前川 泰彦 |
御厨 勝則 |
守山 正 |
山田 憲児 |
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【監事】
会費、賛助会費等について(会則第11条関係等)
会則第11条に規定する会費等は、当分の間、次のとおりとする。
- (会費)
・正会員の年会費は、3,000円とする。
・大学院生及びBBS会員である大学生の年会費は、1,500円とする。
- ・賛助会員の会費は、1口5,000円とする。
- ・名誉会員からは、年会費を徴しない。